■ 正直、まだ自信はなかった
セローを手放したあとも、
「自分はバイクに向いていないんじゃないか」
そんな気持ちは、正直どこかに残っていた。
免許はある。
でも、実際に走ることへの怖さは消えていない。
そんなとき、職場の同僚が声をかけてきた。

「今度、ちょっと走りに行きませんか?」
正直、一瞬迷った。
また怖い思いをするんじゃないか。
また「やっぱり無理だった」と思うんじゃないか。
「いや…俺、バイク怖いんだけどな…」
それでも、
「借りるだけ」「ついていくだけ」
そう思って、ツーリングに参加することにした。
■ 走り出して、最初に感じた違和感
エンジンをかけて、ゆっくり走り出す。
後ろに車が来る。
交差点に近づく。
──でも。
「あれ?」
「思ってたほど…怖くない?」
セローのときに感じていた、
あの“足がつかない不安”がない。
停止するときも、
「ちゃんと足が出る」という安心感があった。
■ 恐怖より先に、景色が入ってきた
走っているうちに、
風の音や、景色が目に入ってくる。
「怖い」よりも先に、
「走っている」という感覚が残った。



「ゆっくりでいいですよ。後ろは任せてください」
この一言で、肩の力が抜けた。
「あ、これ…楽しいやつだ」
気づいたら、
「怖いかどうか」を考えていなかった。
■ セローとの決定的な違い
あとから振り返って思った。
- 足つきの安心感
- 車体の安定感
- 「止まれる」と思える余裕
セローが悪いバイクだったわけじゃない。
むしろ、いいバイクだと思う。
でも──
自分には合っていなかった。
■ この体験が、次の一歩を決めた
ツーリングを終えた帰り道、
頭の中に浮かんだのは、はっきりした考えだった。
「自分に合うバイクなら、ちゃんと楽しめるかもしれない。
そして誰かと一緒ならさらに安心だ」
この日を境に、
「怖いからやめる」ではなく
「合うバイクを探そう」と思えるようになった。
そして次に向かったのが──
MT-03だった。








